カメカメスペシャル
~マナボ☆コラボ №4~ 

講習会概要

小山 隆秀光岡 英稔
講師
小山 隆秀修武堂主宰 講師紹介
光岡 英稔武術・武学研究家 講師紹介
講座について

9月にカメカメスペシャルマナボ・コラボ第4回目となります兵法武学研究会の光岡先生と弘前の林崎新夢想流居合・卜傳流剣術の小山先生とのコラボ講座を開催します!

津軽に伝承された最古の居合林崎新夢想流居合と卜傳流(ぼくでんりゅう)剣術を家伝とされる小山先生から直接指導を受け、光岡先生から林崎新夢想流居合や卜傳流剣術に必要な身体観の捉え方、勁導、集注観を学び、津軽の古流の居合や剣術をたっぷりお稽古する恒例の2日スペシャル企画です!

23日(土)、一日目は、卜傳流剣術の基本大太刀「表」五本をお稽古します。

弘前市無形文化財卜傳流(ぼくでんりゅう)剣術伝承者(2009年4月15日卜傳流剣術が弘前市無形文化財に指定)である小山先生から直々に卜傳流剣術をご紹介頂けます。

『卜傳流剣術は、戦国末期の剣聖塚原卜傳にはじまり、17世紀に小山家にもたらされてから代々、林崎新夢想流居合と併伝しながら幕末の動乱もくぐりぬけ、現在まで伝えてきた古いタイプの剣術です。さらに卜傳を流祖とする武術は、現代では国内外でも数例しか残っておらず、大変希少な流儀です。』

関西で卜傳流を直々にご指導いただけるのは、カメカメだけです!

光岡先生からは剣術の身体観の捉え方、勁導、集注観をご紹介頂き、古流の剣術を堪能します。

24日(日)、二日目は、林崎新夢想流居合の基本「向身」七本をお稽古します。

林崎新夢想流居合は、戦国末期の剣豪 林崎甚助によって創流され、「最古の居合」とも言われています。

至近距離にいる相手が九寸五分(約29cm)の小刀で突いてくるのに刃の長さが三尺三寸(約1m)もある長い刀で斬りとめることができるのかという命題から流儀が生まれ、17世紀に弘前藩にも伝来し、藩剣術師範家である小山家は卜傳流剣術と共に指南役を務められてきました。

近代に入ると全国的に近代武道への移行が始まり、やがて林崎新夢想流居合の伝承も途絶えましたが、また小山先生の代から再興され、大阪でその古い居合が学べるという機会を得ました。

最初に習う型「向身」は七本あります。

座法が扶据(ふきょ)というこれまたグラグラな座り方から1mの大刀を抜くことって、最初はできる気がしないからスタートするのですが、小山先生の丁寧な指導と頼もしいアシスタントが今回は3人もお越し下さりフォローも万全、一日じっくりお稽古していると大刀とも次第に打ち解けてきます。

力みがあるとなかなか抜けないので力みがどこで生じるかをみつめる良い機会にもなります。普通の木刀で型のお稽古をしても充分身体を練ることができますし、抜けなくても型が覚えられなくても大丈夫!

光岡先生による観法で少しずつ抜ける方向へ向っていきますから初めての方もどうぞお気軽にご参加ください。

絶対不利な状況に応じる体験は、これからの日々の暮らしにもいきてくると思います。

抜ける気がしない長さの刀を抜刀できると単純にめちゃくちゃ気持ち良いです!

三尺三寸の長さの刀に触れてお稽古をすること事態、滅多にないことですので、ご興味のある方はこの機会にぜひお試しください。

またコラボ番外編として、24日の午前中には経験者クラスを設けました!

小山先生によるスペシャル朝稽古、今回は林崎居合の「向身」の次の型「右身」を時間の許す限りお稽古します。

※9月24日(日)朝稽古については、「向身」を体験されたことのある方で三尺三寸の抜刀、納刀ができる方が参加対象となります。 

全く初めての方も、普段居合のお稽古をされている方も、小山先生と光岡先生に同時に剣術と居合を習える機会、津軽でのみ伝承されてきた古流の流派を関西で学べる機会はそうそうありませんので、初心者、経験者問わずぜひご体験頂きたいと思います。

経験、流派を越えてご体験頂き、小山先生、光岡先生からの学びの醍醐味を味わっていただけたら!

また稽古の合間に民俗学がご専門の小山先生から弘前藩士の妖怪への対応法などのお話しなども伺えるかもしれません!

このまたとない機会をどうぞお見逃し無く!

三尺三寸・常寸の模擬刀または鞘付き木刀、小太刀木刀や脇差または扇子お持ちの方はどうぞご持参ください。

お持ちでない方にはお貸しできますのでご安心ください。

※24日の林崎の稽古には、帯(居合用の帯が望ましい)は必ず必要となりますので、各自で事前にご準備ください。

みなさまのご参加をお待ちしております。

先生方よりメッセージ

(小山隆秀先生 修武堂 主宰)

今年も「津軽の剣」が、大阪にお邪魔いたします。

私が稽古している卜傳流剣術と林崎新夢想流居合という武芸は、戦乱打ち続く戦国末期に生まれ、江戸前期に津軽へ伝わり、

人々の守護と北方警備を責務とした弘前藩の武士達が稽古した古い流儀です。

我が家はその師範家でありました。

かつて日本各地に同系統の流儀が複数ありましたが、多くが失われました。

残された稽古内容は、現代の一般的な武道と比べて、シンプルかつ異形で、違和感を覚える方もいることでしょう。

しかしその異形さは、長い歴史のなか、様々な危機を乗り越えてきた無数の先人達の経験知で裏打ちされているからこその姿です。

いにしえからの無言のメッセージを感得し、いまの世を生きることにつなげたいと願い、私は稽古しています。

今年も大阪の地で、皆様と稽古をご一緒しながら、光岡英稔師範にお助けいただき、我々の心身の深奥に隠されている、不可思議さと豊饒さに気づいていければ幸いです。今から楽しみでなりません。御参加お待ちしております。

(講座内容について)

8月23日(土)は、17世紀以来、我が家で代々伝えてきた卜傳流剣術の大太刀「表」五本をご紹介します。

これは当流の大太刀(定寸の刀を扱う剣技)の基本であり、実に素朴な所作です。

修行者は、「基本元素」ともいえるこの五本の形を習得した後、それを応用変化させながら、さらに数段階の過程を上がって上達を目指します。

しかしこの表五本は、あまりに単純な動きであり、少年時代の私は、ふだんの剣道稽古の激しさと比べて全く実感が伴わず「何の稽古なのか」と不思議に思ったものです。

その後、少しずつ稽古が進むと、剣道稽古では見落していた風景もみえてきて、その深さと重要性、面白さがみえてきました。

今回、皆様と稽古をご一緒するなかで、往時の武士達がどのようなことを眼目として剣術を稽古していたのか。現代の世界観との違いも感じられてくることと思います。

8月24日(日)は、江戸時代から大正期まで、我が家で師範を務めていた津軽の林崎新夢想流居合をご紹介します。

 これは、刃が三尺三寸(約1メートル)もある長い刀を操る居合です。

 長い刀は、広い空間であれば、自由に抜いて振り回すことが可能で、非常に有利な武具となりますが、狭い空間、特に前方を塞がれてしまったときなどは、抜き差しすら全く困難になる弱点があります。

 その弱点を克服するため、戦国末期の開祖林崎甚助師が見出した独特の座り方「趺踞(ふきょ)」と稽古法をご紹介します。

 修行者が最初に学ぶ基本「向身」七本です。ゆっくりと稽古して参ります。

 特に最初に学ぶ「押立」は、一本目でありながら極意ともいえ、これを習得すると、その後の学びは全て順調に進んでいけるようになります。

さらに24日(日)朝の自主練習会では「向身」の次の段階である「右身」もご紹介する予定です。

これは居合と柔の技が一緒になったような技法で、さらなる気づきと展開があることでしょう。

 今回ご紹介する卜傳流剣術と林崎新夢想流居合の稽古ですが、近世後期には、日本各地で失われていった古い流派のため、普段、関西の地では体験する機会がないことでしょう。ぜひ「津軽の剣」を体験してみてください。

各武術・武道の経験者のみならず、全くの初心者の方も歓迎いたします。

 皆様と稽古しながら、さらに光岡英稔師範の観法によって、古き形の深奥に内包されている見えない理を照らし出しいただくことで、共に感得できる場となれば幸いです。

修武堂 主宰 小山隆秀

(光岡英稔先生 国際武学研究会 主宰)

今年も、いよいよこの季節がやって来ました!

ここ数年は、この時季に定例となりつつある関西圏での修武堂の小山隆秀先生と私・光岡英稔によるカメカメ企画 コラボ講座、修武堂の家伝である林崎新夢想流居合、卜伝流剣術を始めとする“修武堂の家伝武術”を先生たちで紐解いて行く会を皆が目の当たりにしながら、同時に居合いの源流である林崎流と、最も古い日本剣術の一つである卜伝流を稽古学習できるよう講座を進めて行きます。

毎回、思うのですが、この二日間でしか味わえない《カメカメ企画×修武堂の武術×光岡武学》ならではの醍醐味の一つは何と言っても修武堂の小山隆秀先生による“小山先生”ご本人の人柄と独特の指導中の間の取り方、笑いの取り方などがたまらなく頼もしいので、そこも見どころの一つになるかと思います。

小山家は代々弘前藩の武術指南役を務めていた家柄でもあり、小山隆秀先生の代まで家伝の各武術が伝わっており、今は修武堂で受け継がれ、研究されている林崎新夢想流居合、卜傳流剣術を家伝として研究している世界的第一人者の一人であります。

そのような方であるにも関わらず修武堂 堂主である小山先生ご自身が教えられている形や動きを気さくに教伝されながら「いま私はこうしてるけど、本当は違うかも知れないんですよ、本当のことは分からないので…」「この形の動き、こっちの方向で良かったと思うんだけど、あれ違ってたっけ、Sさん、Tさん、これで合ってかなぁ」などと真面目に家伝の形を講習中にも忘れられたり、しまいには「うちの流祖の林崎甚助は実在したかどうかも怪しいところがあるんですよね、ワハハハ」などと言い、自流の自虐ギャグを交えながら、たのもしく皆を和ませてくれる雰囲気の中で講習稽古は展開されます。

ちなみに、小山先生のお祖父様の道場は近代剣道家なら誰でも知ってるはずであろう、今の現代日本剣道・創始時の中心人物の一人であった笹森 順造範士が林崎新夢想流居合を習いに来ていた道場でもありました。

このように弘前藩の指南役を代々勤めた生粋の武家のサラブレッドのような家柄の先生でありながらも、小山先生の講習会中のトークはとても面白く、先生の人柄もあり、本来ならシビアなはずの武術稽古を、常に皆が和むような雰囲気の中で進めてくれます。

技とか型の手順が覚えられなくても、小山先生にお会いし、稽古風景を体験するだけでも講座は十二分に参加する価値と意味があるかと思います。

そこにプラス・アルファとして時折り展開される小山先生のお仕事と関係する民族学、妖怪や民族風習の話しなども面白く、講座の特典として語られる時があります。武術/武道プラス・アルファこの辺りのことに御関心ある方にもオススメいたします。

この度は、私の方も光岡武学における最新の日本武術/武道を見直す上で必要不可欠となる身体観、勁導、集注観を幾つかを紹介する予定です。

小山先生や私と共に日本武術における古流剣術、居合の研究を通じて、古から伝わる型、式、所作、稽古方法に潜む身体観を見出す術を今回は皆に紹介しようかと思います。

皆様、お楽しみに!!

国際武学研究会 主宰 光岡 英稔

【日程】

両日とも1日かけてじっくりお稽古する1日クラスとなります

13:30~16:301部小山先生による家伝卜伝流剣術の基本(大太刀「表」五本)の稽古
17:00~19:302部光岡先生による導観法、身体観、勁導、集注観の稽古
19:45~20:453部卜傳流のおさらい

13:30~16:301部小山先生による林崎新夢想流居合の基本(抜刀と趺踞と「向身」七本)の稽古
17:00~19:302部光岡先生による導観法、身体観 勁導、集注観の稽古
19:45~20:453部林崎のおさらい

9:45~12:15林崎新夢想流居合「右身」の稽古
※参加対象:「向身」を体験されたことのある方で三尺三寸の抜刀、納刀ができる方

【参加費】

1日クラス 1日30,000円

2日両日参加 両日50,000円

9月24日(日)コラボ番外編:経験者クラス(小山先生のスペシャル朝稽古) 8,000円

23日(1部〜3部)、24日(1部〜3部)、24日(日)経験者クラス(小山先生のスペシャル朝稽古)を全てご参加の方 56,000円

※支払期日までに事前振込(お申込み下さった方に振込先等詳細をお知らせします)

【会場】
大阪市区内の施設(お申込み頂いた方に詳細おしらせいたします)